HOW TO MAKE SOUND EFFECTS
効果音を探すのをやめ、
あなた自身で効果音を作ってみませんか?
THEME 効果音に"スピード感"をあたえる!
~ドップラー効果~
"ドップラー効果"をご存知でしょうか?もっとも身近な例は、救急車のサイレンです。救急車が近づいてくると「ピーポーピーポー」という音程が徐々に高くなっていき、通り過ぎると音程が下がっていくように感じますよね。このような現象を"ドップラー効果"といいます。
今回はこのドップラー効果を利用して、効果音にスピード感を与える方法をご紹介します。
ドップラー効果を再現する要素
救急車のサイレン音を使って、ドップラー効果を再現してみましょう。救急車が時速60kmくらいで左から走ってきて、右へ走り抜けていくシーンを想定します。(救急車のサイレン音の作り方はこちら)
▼救急車のサイレン音
このサイレン音を、単純に左から右へパンニングし、音量を変化させると次のような音になります。
▼救急車のサイレン音を音量・定位変化
近づいてきた雰囲気は出ましたが、「スピード感」がありません。時速60kmで近づいてくる雰囲気は感じないですよね。そこでドップラー効果の出番です。ドップラー効果を再現するためには、
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音程を変化させる(ピッチカーブ)
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音量を変化させる(ボリュームカーブ)
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定位を変化させる(パンニングカーブ)
この3つが必要で、音量・定位に加えて音程を変化させる必要があります。(できればローパスを変化させるカーブもあれば尚良い)
音程も変化させたサイレン音がこちらです。
▼救急車のサイレン音(ドップラー効果)
迫ってくる雰囲気や横切っていく感じが強調されましたよね!
効果音にスピード感を与える!
それではこの方法を使って、前回作ったヘリコプターの効果音も変化させて見ましょう。もとになる音はこちらです。(ヘリ効果音の作り方はこちら)
▼ヘリコプターのホバリング効果音(ループ)
ドップラー効果を加えると、
▼ヘリコプターのスピード感を演出
"スピード感"がしっかり表現されているのが分かりますよね!このようにドップラー効果を使うと、乗り物系のスピード感と接近感を表現できるようになります。ほかにも持続的に音がループするような素材に使うととても面白い効果が得られます。例えば、
▼SFっぽい宇宙船の飛行効果音(ループ)
▼宇宙船が横切る(ドップラー効果)
▼電動ドリルの音(ループ)
▼高速でミニカーが通過する(ドップラー効果)
是非お手持ちの素材でドップラー効果を試してみてくださいね!それではまた来週!
効果音メモ
ドップラー効果というのは音だけでなく「光」にもあるそうです!光の場合は近づくにつれて青く、遠ざかるほど赤く見えるんだそうです。空の色が昼間青くて夕方になると赤くなっていくのはそういう理由なのかもしれませんね!(^^)
OGAWA SOUND:小川
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