HOW TO MAKE SOUND EFFECTS
効果音を探すのをやめ、
あなた自身で効果音を作ってみませんか?
ガガガシャーン!建物が崩壊する効果音の作り方
ガラガラガシャーン!という建物が崩壊する効果音は、実際に録音するシチュエーションが難しいのでほかの素材で代替する方法が効果的です。ここでは木村哲人さん著書「キムラ式 音の作り方」を参考に、実験した結果を共有します。
卵のカラとパスタをマイクで潰す
本に記載されている方法はとてもユニークで、なんと卵のカラとパスタ、それをコップに入れて直接マイクで押しつぶすというものです!さっそくこのような感じで用意してみました。
卵のカラは2個分を使い、フタ同士が重ならないようにつめて、スキマに適当な長さに折ったパスタを入れています。コップはガラス製のものを使用。これをガンマイクで押しつぶしてみました。
細かく粉砕するようなイメージで、なかなか潰れた感があって良いですね!ティッシュでガードしたせいなのか、すこしウェットな印象もあります。ただ、このやり方はガンマイクにかなり負担がかかってしまうのであまりおススメはできません。そのためガンマイクは1回きりで、マイクを丈夫なダイナミックマイクに変えて実験してみました。
ダイナミックマイクで試す
素材は同じく卵のカラとパスタを使い、マイクだけをダイナミックマイクに替えてみました。
こちらもバキバキと録れていますが、低音がかなり含まれた結果が得られました。迫力はありますが、ガンマイクで録れたような細かい粉砕音という雰囲気ではないですね。どちらかというとゴキゴキっというこもった音質です。なお、マイクには何もガードするものを着けずに行いました。
パスタをそうめんに変更
ここまで試したところでパスタがかなり固くて潰しにくく感じました。一気にグシャッといくには、より柔らかそうなそうめんとマロニーはどうか?と考えました。
そうめんはセットした段階でパキパキ折りやすく、期待大です!一方、マロニーはしなってしまい、折ることがかなり困難でした(汗)マイクで押し潰すことは出来なさそうですが、ほかの素材と擦れる音など複雑な音が得られそうだったので一緒に入れることにします。
思ったとおり軽い力で一気に潰れてくれるので細かい粉砕音やゴリゴリした音など表情豊かな音が録れました。これらの音を加工すれば、一気に潰す音は建物がガシャン!と倒れるアタック音に、ゴリゴリと擦る音は建物がガラガラと倒れる持続音に使えそうです!
潰し終わった粉砕物をパラパラと落とす
最後の素材は、潰し終わった粉砕物をパラパラとマイクに落とす音を録音します。これは本には記載がないのですが、潰し終わった粉砕物をみて、「これをパラパラと落とす音を加工すれば瓦礫がガラガラと崩れ落ちるような音になるのではないか?」と考えました。
良い感じでパラパラ感のある音が録れました!なお、床や敷物に落とすのではなくマイクに直接ふりかけて録音しました。加工すれば瓦礫の崩れる音に使えそうです。
加工して音を変化させる
これで素材はそろいました!あとはこの素材をもとに加工していくのですが、ポイントは
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「ピッチ」を下げる
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「ディストーション」で歪ませる
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「EQ」で調整
この3点です。
ピッチを下げることで「ゴゴゴゴ」という低音部分を演出し、ディストーションで「崩壊の迫力」を出します。EQは出過ぎた高音部分や低音部分を調整します。
加工をした後の結果がこちら!
いかがだったでしょうか?主にピッチを下げてディストーションをかけただけですが、建物が崩壊する雰囲気が出たのではないでしょうか?
今回は冒頭でご紹介した「キムラ式 音の作り方」を真似て、建物の崩壊音を作ってみました。ほかにも風の音や、蒸気機関車、ガラスの割れる音などたくさんの実践例が記載されており大変勉強になります。気になった方は是非お読みになることをおススメ致します。
効果音メモ
潰す素材を色々変えたり、マイクをまったく違うものに替えると違う結果が得られて面白いです。実はここで使ったダイナミックマイクも1000円ほどの安価なマイクです。
OGAWA SOUND:小川